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2012 年度 実施状況報告書

高度成長期の日本経済外交の史的研究―貿易・資本自由化、国際金融、南北問題―

研究課題

研究課題/領域番号 24730160
研究種目

若手研究(B)

研究機関防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工

研究代表者

高橋 和宏  防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 人文社会科学群, 准教授 (70468726)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード戦後日本外交史 / 経済外交
研究概要

平成24年度においては、研究課題として掲げた、高度成長期における日本の経済外交をめぐる4つのテーマ(①貿易自由化の拡大、②国際金融体制の動揺、③資本自由化の進展、④南北問題の浮上)のうち、特に貿易自由化及び国際金融体制(ドル防衛協力)をめぐる日本外交について研究を進めた。
①貿易自由化及びドル防衛協力問題に関する2つの学術論文を執筆・投稿し、いずれも学会誌に掲載された。まず、「池田政権期における貿易自由化とナショナリズム」『国際政治』第170号(平成24年9月)は、1960年代前半期の貿易自由化とそれに付随して生起した自由化に抵抗するナショナリズムとの関係性について、対外関係(米国からの自由化圧力の実相と日本側の対応及びGATT交渉(ケネディ・ラウンド))と産業政策(特定産業振興臨時措置法案)の視点から論証した。また、「ドル防衛協力問題と「日米同盟」」『国際安全保障』第40巻3号(平成24年12月)では、ベトナム戦争中(1967-68年)、日米間で「同盟強化」という観点からドル防衛協力問題が取り上げられていくプロセスを検証し、1960年代における「日米同盟」の経済的側面を明らかにした。
②日本国際政治学会研究大会(平成24年10月)において、「ドル防衛と沖縄返還をめぐる日米関係 1967-1969」と題する報告を行い、沖縄返還交渉とドル防衛協力とがいかなる論理で連動していたのかを明らかにした。
③平成25年3月、米国立公文書館(メリーランド州カレッジパーク)及びケネディ大統領図書館(ボストン)において資料調査を実施し、1960年代前半期の日米経済関係の史料を網羅的に調査・収集した。これらについては、次年度以降に解読・分析を進め、論文執筆へとつなげていくこととする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当該テーマに関して、計画初年度において学術論文(2本)発表や学会報告を実施するなど、当初想定したよりも順調に研究成果を残すことができた。また、国内外(外務省外交史料館、米国立公文書館等)での資料調査もこれまでのところ順調に進捗している。

今後の研究の推進方策

①平成24年度に引き続き、国内外での一次史料の網羅的な調査・収集を継続する。国内については、外務省(外交史料館)が数カ月に一度程度の頻度で外交文書を公開しているので、これを継続的にフォローし、最大限利用する。また、海外の公文書館については、米国の国立公文書館や大統領図書館(ジョンソン、ニクソン)のほか、英国国立公文書館での調査も検討する。
②これまでの考察において、高度成長期の日本の経済外交における核心的な問題は「国際収支の均衡」を図りながら国内では高度成長を維持しつつ、対外的には貿易自由化(輸入制限の撤廃、関税引き下げ)やドル防衛協力を実現していく点にあったことが明らかとなってきた。この視角を中心に据え、平成26年度の最終的な成果発表(単著)に向け、論文執筆を進める。

次年度の研究費の使用計画

①物品費:書籍や必要機材(ノート型PC等)を購入する。
②旅費:米国立公文書館及びジョンソン大統領図書館(テキサス州オースティン))での資料調査を計画中(3月)。
③人件費・謝金:当時の担当者などにインタビューを実施する。これに合わせて、同インタビューの諸準備のための作業を研究協力者に依頼する。このためにかかる経費を人件費・謝金から拠出する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 池田政権期における貿易自由化とナショナリズム2012

    • 著者名/発表者名
      高橋和宏
    • 雑誌名

      国際政治

      巻: 第170号 ページ: 46-60

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ドル防衛協力問題と「日米同盟」2012

    • 著者名/発表者名
      高橋和宏
    • 雑誌名

      国際安全保障

      巻: 第40巻第3号 ページ: 83-101

    • 査読あり
  • [学会発表] ドル防衛と沖縄返還をめぐる日米関係 1967-19692012

    • 著者名/発表者名
      高橋和宏
    • 学会等名
      日本国際政治学会2012年度研究大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      20121020-20121020

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公開日: 2014-07-24  

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