研究課題/領域番号 |
24730170
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
小阪 みちる 上智大学, 国際教養学部国際教養学科, 助教 (50612082)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 国際相対価格 / 為替レート / 金融制約 / 輸出企業 |
研究実績の概要 |
平成25年度中にEconomics Lettersに投稿していた論文“Financial Constraints, Firm Entry, and Exchange Rate Pass-Through”は、改訂要求に基づいて改訂した後に受理され、平成26年10月に同ジャーナルから出版した。この論文での分析では、輸出企業の金融制約が強まるほど為替レートのパススルー率が高まることが示されたが、輸出企業の金融制約についていくつかの単純化された仮定を用いている点で今後の研究に課題が残った。平成26年度には、過去の様々な先行研究をサーベイし、輸出企業の金融制約に関しての動学的な仮定についてモデリングを考える作業を行った。
また、本プロジェクトに関連している論文として、以前より改訂を進めている“Product Variety, Firm Entry, and Terms of Trade Dynamics”があるが、この論文を2014年12月に日本銀行金融研究所で発表した。この際にセミナー参加者から受けた多くのコメントに基づいて、同論文を改訂している最中である。この論文は、自国のマクロレベルの労働生産性に関するショックが、国際相対価格の指標の一つである交易条件に対して与える影響を実証的・理論的に分析したものである。理論分析では、企業の戦略的なマークアップ決定を通じた貿易財バラエティの変化を考慮したモデルを用いているが、このモデルにおける貿易収支の動きについては更なる考察が必要であり、今後、実証分析も進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度には平成25年度中にEconomics Lettersに投稿していた論文“Financial Constraints, Firm Entry, and Exchange Rate Pass-Through”を改訂した上で平成26年10月に同ジャーナルから出版できた。平成26年度には、過去の様々な先行研究をサーベイし、輸出企業の金融制約に関しての動学的な仮定についてモデリングを考える作業を行った。以前より改訂を進めている“Product Variety, Firm Entry, and Terms of Trade Dynamics”という論文は2014年12月に日本銀行金融研究所で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度中の研究は、理論分析が主となった。今後は、国際相対価格と金融制約との関係を分析するために、データを構築していく作業を行っていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
上記のデータベース構築のために必要なリサーチアシスタントが不要だったため、次年度使用額が生じている。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究費の使用計画として、上記のデータベース構築・実証分析に必要なソフトウェアおよび書籍の購入、リサーチアシスタントに支払う謝金を考えている。
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