マクロ経済環境の変化は世代間で異なる影響を与える。近年の労働環境の変化が特に若年層の雇用環境を大きく不安定化させたことはその一つの例である。本研究ではマクロ経済環境の変化が世代間及び世代内の富の分配にどのような影響を与えたかについて定量的に分析した。家計の最適な消費・貯蓄行動に基づいたライフサイクルモデルを構築し、これを分析のためのラボラトリーとして、(1)経済成長率の鈍化は格差拡大には貢献していないこと、(2)このままでは大幅な消費税増税は避けられずそれを回避するために鍵の一つが若年(女性)労働者の活用であることなどを明らかにした。
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