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2016 年度 実施状況報告書

最適資源配分政策に関する理論的研究-生産性格差・レントシーキング活動の影響-

研究課題

研究課題/領域番号 24730182
研究機関関西大学

研究代表者

土居 潤子  関西大学, 経済学部, 教授 (00367947)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2018-03-31
キーワード異質性 / レントシーキング
研究実績の概要

少子高齢化社会に入ったわが国にとって、安定した経済成長は厚生の観点からだけではなく社会保障・安全保障の観点からも非常に重要な課題である。しかしながら、近年、国際競争力は低下し、政府支出の効果も限定的であるといわれている。本研究は、これらの要因を、「レントシーキング活動―より多くの補助金獲得、より自社に有利な条件の創出のために政治家等に働きかける行為―による資源配分の歪み」に求める試みである。
今年度は、昨年度までに構築し分析を進めた開放経済モデル(生産性が異質である企業を前提に、各々の企業が自社の利潤最大化を目指してレントシーキング活動を行い、さらに自国と同質な国々との貿易を想定)を用いた分析に関する論文を完成させるため執筆を進めた。さらに、こうした状況の下での最適な補助金額についての検討(主として、コンピュータによる数値計算)を行った。本モデルでは、税額を引き上げることは、補助金を増やすことを意味し、企業の利潤を増やす。この結果、生産性の低い企業が市場で生き残ることができるため、雇用量が増加する。しかしながら、経済全体の平均生産性が低下するため、労働者が受け取る賃金は低下する。どちらの効果が上回るかは、税額に依存することが分かった。税額が比較的小さい経済では、税額の引き上げによる賃金の低下効果より、雇用増加効果が上回るため社会厚生が上昇するが、ある程度税額が大きい経済では、賃金低下効果の方が上回るため社会厚生が低下するという傾向があることを示すことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

妊娠・出産に伴う研究中断期間があったためやや遅れている。

今後の研究の推進方策

開放経済モデルについて、税額の変更により経済厚生を悪化させる場合については、その原因をより明確にする必要がある。また、経済厚生を最大にするような税額に関してより現実を説明できるように数値例を精緻化する必要がある。これらを改善し、論文の修正を進める。また、学会・セミナーなどでの発表を通じて、モデルの改良を重ね、研究を促進していきたい。

次年度使用額が生じた理由

海外学会での報告を許可されていたものの、妊娠・出産に伴い参加できなかったため次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度においては、学会への参加、共同研究者との打ち合わせ、また、関連する研究を行う研究者に専門知識の提供を受ける際の謝金、英文校正費等に使用する計画である。

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公開日: 2018-01-16  

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