本研究計画の目的は,二十世紀の代表的な自由主義思想家フリードリッヒ・ハイエクの学説を歴史的に考察したうえで,それをアメリカのオーストリア学派における発展史に位置付けることにあった。研究期間中のもっとも顕著な成果は,2014年3月に単著『ハイエクの経済思想:自由な社会の未来像』(勁草書房)を刊行したことである。一連の考察を通じて,オーストリア学派におけるハイエク思想の位置付けを規定し,あたらしい自由な社会像を構想することができた。結果として,本研究計画は当初の予想以上の研究成果を得られたと考えている。
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