研究課題/領域番号 |
24730187
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
古家 弘幸 徳島文理大学, 総合政策学部, 准教授 (30412406)
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キーワード | 国際情報交換 / イギリス / 経済思想史 / スコットランド啓蒙 / アダム・スミス / 美の哲学 / トマス・ヘップバーン / オークニー諸島 |
研究概要 |
2013年5月の The 17th Annual Conference of the European Society for the History of Economic Thought (Kingston University, London) において、‘The Enlightenment Idea of Improvement and its Discontents: The Case of Orkney in the Eighteenth Century’との題目で学会発表を行い、本研究の目的であるスコットランド教会穏健派の経済思想が、市場経済の拡大とそれにつれて変容する道徳を当時の歴史的文脈の中でどのように捉えたかについての一端を提示した。発表原稿は、「オークニー諸島の野蛮と啓蒙―改良と抵抗のはざまで」と題して田中秀夫・編著『野蛮と啓蒙―経済思想史からの接近』(京都大学学術出版会、2014年3月) の第7章として出版され、申請者によるオークニー諸島の啓蒙思想研究としては一応の完結を見ることとなった。スコットランド教会穏健派の経済思想研究として、次はウィリアム・ロバートソンに取り組む予定である。 また2013年6月の The 40th Annual Conference of the History of Economics Society (University of British Columbia, Vancouver, Canada) において、‘Fitness as Ingenuity: Judgment of Taste in Adam Smith’s Theory of Moral Sentiments’との題目で学会発表を行い、スミスの『道徳感情論』における美的判断の理論について提示した。発表原稿は英語論文として執筆し、現在査読と修正のプロセスにある。 2013年12月には国際基督教大学のキリスト教と文化研究所において、「社会、言語、思想―スコットランド啓蒙の諸相」と題して特別公開講演会を行った。発表原稿は加筆後、出版の予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した「平成25年度の研究実施計画」から細部が変更されたものの、5月の欧州経済思想史学会 (ESHET) における個別研究報告をもとに、年度末にはオークニー諸島の啓蒙思想研究の完結となる論文を出版することが出来た。またスミスの『道徳感情論』における美的判断の理論についての論文も、6月の北米経済学史学会 (HES) における個別研究報告をもとに執筆され、現在査読と修正が最終段階まで進んでいる。12月にはこれまでの研究をもとにスコットランド啓蒙について概観する公開講演を行うことも出来た。
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今後の研究の推進方策 |
スミスの『道徳感情論』における美的判断の理論についての論文を出版できるように努める。The Journal of the History of Economic Thought (Cambridge University Press) の査読を通過し、現在修正中である。原稿を完成させ、出版に至るように取り組む。 並行して、2014年5月の欧州経済思想史学会 (ESHET) において個別研究報告を行う。夏季には5年ぶりに英国エディンバラで短期の在外研究を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
全体で90万円のうちの24円は、補助金を一年間有益に使わせていただいた後の誤差の範囲内であると考えている。 交付申請書の研究実施計画で記したとおり、海外での学会発表と夏季の在外研究の費用として用いる計画である。
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