研究課題/領域番号 |
24730187
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
古家 弘幸 徳島文理大学, 総合政策学部, 准教授 (30412406)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / イギリス / 経済思想史 / スコットランド啓蒙 / アダム・スミス / ストア哲学 / トマス・ヘップバーン / オークニー諸島 |
研究実績の概要 |
2014年5月のスイスのローザンヌ大学における欧州経済思想史学会 (ESHET) の年次大会で、‘The Invisible Hand in Adam Smith: Stoic or Calvinist?’と題して研究発表を行い、アダム・スミスにおけるストア哲学の受容についての研究を一歩進めた。スミス研究としては、2015年1月にニコラス・フィリップソン『アダム・スミスとその時代』永井大輔・訳 (白水社、2014年) の書評を『図書新聞』に掲載し、また年度末の2015年3月には、「社会、言語、思想―スコットランド啓蒙の諸相」と題する論文をまとめ、国際基督教大学キリスト教と文化研究所が発行する『人文科学研究 (キリスト教と文化)』に出版することが出来た。
並行して進めてきたオークニー諸島におけるスコットランド教会穏健派の経済思想の研究としては、2014年9月に明治大学で行われた国際学会にて、‘Barbarism and Enlightenment in Eighteenth-Century Orkney’との題目で研究発表を行い、発表原稿を‘The Enlightenment Idea of Improvement and its Discontents: The Case of Orkney in Eighteenth-Century Scotland’とのタイトルで完成させ、年度末の2015年3月に Meiji Journal of Political Science and Economics に出版することが出来た。オークニー諸島関連の研究は、この論文をもって無事に完結を見ることとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した「平成26年度の研究実施計画」から細部が変更されたものの、スミスにおける「商人地主」の概念と、その一八世紀英国経済における歴史的文脈について、英語論文に盛り込むことが出来た。5月の欧州経済思想史学会 (ESHET) での個別研究報告の後、夏季にはスコットランドのエディンバラ大学、およびスコットランド国立図書館 (NLS) において資料収集等を行い、指導教官であった Nicholas Phillipson 氏等、エディンバラの研究者と意見交換を行うことも、研究実施計画の通りに実行出来た。
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今後の研究の推進方策 |
スミスの『道徳感情論』における美的判断の理論についての論文を出版できるように努める。並行して2015年5月の欧州経済思想史学会 (ESHET) において個別研究報告を行う。夏季には昨年に引き続き、英国エディンバラで短期の在外研究を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
全体で90万円のうちの46円は、補助金を一年間有効に使わせていただいた後の誤差の範囲内であると考えている。
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次年度使用額の使用計画 |
交付申請書の研究実施計画で記した通り、海外での学会発表と夏季の在外研究の費用として用いる計画である。
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