アメリカの社会保障制度の起源に重要な影響を与えたと考えられるJ.R.コモンズおよびE.E.ウィッテの思想を内在的に再構成することによって、アメリカ型福祉国家の誕生における彼らの思想的な特徴を確かめるため、以下の3点について研究を行った。(1)ウィッテのニューディール社会立法の構想に関する研究、(2)法的な処方を中心とするコモンズの経済思想の特徴についての研究、(3)1930年代に本格化したアメリカの社会保障制度の展開を支えた思想的基盤についての考察。これらの研究を通じて、これまで断片的になされてきたアメリカ社会保障制度に見られる思想的な連続性あるいは断続性がより明確になったと考える。
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