本研究は,日本の産業構造を規定する要因を,国際貿易論にもとづき,実証的に明らかにしようと試みたものである.本研究では,Kiyota (2012, JIE)の研究を発展させ,日本の産業構造の規定要因を明らかにしようと試みた.分析の主要な結果のひとつは,日本の要素賦存の変化と産業構造の変化の間に系統的な関係があることというものである.具体的には,資本蓄積に伴い,より資本集約的な財の生産へと生産パターンがシフトしていくというものである.この結果は,要素賦存の変化が産業構造の変化に影響していることを示唆しており,日本の「雁行形態」的産業発展を貿易理論の視点から確認するものである.
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