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2013 年度 実施状況報告書

先進的実証モデルによる企業結合の厚生評価

研究課題

研究課題/領域番号 24730202
研究機関政策研究大学院大学

研究代表者

西脇 雅人  政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (80599259)

キーワード企業結合 / 政策評価
研究概要

本研究では、企業結合について実証的公正評価を行うためのモデルを構築することを目的としている。より具体的には動学寡占モデルの枠組みを利用し、連鎖合併等の事象を分析できる道具を開発する。そして、開発された実証モデルを用いて現実の合併辞令を経済厚生の観点から分析し、合併認可の政策対応の事後評価を実施する。
これまでの研究活動で、実証モデルの構築、モデルのパラメターの推定、推定されたパラメターを用いた合併シミュレーション及び種々の政策実験を主に行った。日本のセメント産業で90年代中盤に複数起きた合併を事例研究し、動学寡占モデルの枠組みを用いたことで、従来の静学的な分析では捉えられない要素が重要であることを明らかにした。より具体的には資本調整行動を明示的に扱うことで、資本調整に関わる費用を厚生分析に取り込むことが可能となり、その費用は発現した合併効果において大きな役割をになっていたことを明らかにした。これは従来の価格を数量を基準とした評価では考慮されなかったものであり、企業結合における本研究の重要な貢献と言える。また、動学モデルによる厚生分析と関連して、合併が効率的な資本調整を促すかという観点からの研究も行った。需要が減衰していく産業において生産性の低い工場が資本を減らしているか、また生産性の低い工場を閉鎖しているかについて分析し、もし、最も効率的に資本が調整されていたならば現実の合併による調整はどの程度効率的であったかというシミュレーションを実施した。その結果、合併の結果、理想状態の8割ほどの効率性を達成していたことを明らかにした。なお、研究をまとめた論文は2013年6月発行のJournal of Industrial Economics誌に掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

申請以前から取り組んでいる課題のため、研究すべき内容が明確になっており、さらには研究に必要な技術やデータも順調に習得、入手できているために順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

今後は研究成果を国内外の学会等で積極的に報告し、研究成果を論文としてまとめ海外の一流学術誌に投稿する。

次年度の研究費の使用計画

参加予定の学会が次年度はじめに開催されることになったため。
国際会議に2回出席するための旅費として使用する。また、論文を海外学術誌に投稿するために英文校正をするためそれにかかる人件費・謝金として支出する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Are Losers Picked? An Empirical Analysis of Capacity Divestment and Production reallocation in the Japanese Cement Industry2013

    • 著者名/発表者名
      Masato Nishiwaki and Hyoeg Ug Kwon
    • 雑誌名

      Journal of Industrial Economics

      巻: 61 ページ: 430-467

    • DOI

      10.1111/joie.12019

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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