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2013 年度 実施状況報告書

イノベーション、経済成長と空間経済学理論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 24730207
研究機関大阪大学

研究代表者

山本 和博  大阪大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (10362633)

キーワード集積 / 出生率 / 労働時間 / 多国籍企業
研究概要

出生率と集積に関する理論研究を行なった。経済活動が集積する大都市地域では出生率が低くなるという事実がデータによって確認されているが、その理論的背景に関しては必ずしも明らかではない。本研究では大都市地域では多様な財が生産されていることに着目し、それによって実質賃金が上昇していることが出生率低下の要因となることを示した。実質賃金の上昇によって子育ての機会費用が上昇し、それによって子供の人数が減少するのである。論文は既にまとめられ、英文専門誌に投稿されている。
また、労働時間と集積の関係に関する理論研究を行なった。大都市地域においては労働時間が長くなる傾向がある。日本においても社会生活基本調査の2006年、2011年のいずれのデータを見ても大都市圏の労働時間が長くなっている。本研究においては、大都市で多様な財が生産されることにより、実質賃金が高くなることが労働時間を長くすることにつながっていることを示した。論文は執筆中であるが既に理論モデルは完成し、事実を裏付けるデータの収集も終わっている。まとまり次第、セミナー、学会で報告し、英文専門誌に投稿予定である。
多国籍企業の立地戦略に関する理論研究を行なった。自由貿易圏への加入等による輸送費用の低下により、多国籍企業の総数は減少する。それにともない、市場の大きな国への集積が進み、経済全体の厚生は低下する場合がある。論文は既に完成し、英文専門誌へと投稿されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

内生的出生率と集積の研究、多国籍企業と集積の研究及び、昨年度から継続している人口密度と集積の研究に加えて、労働時間と集積の研究に取り組む事が出来た。また、最初の三つの論文に関しては既に完成し投稿することが出来ている。現在査読中であるが、掲載許可を得ることが出来れば研究の最終的な目的を達成したと言うことができる。しかし、個別の研究テーマに関しては順調に論文を完成することが出来ており、研究目的は達成されつつあると言うことができる。

今後の研究の推進方策

現在、労働時間と集積に関する研究、貿易政策と企業の立地戦略に関する研究、少子高齢化と集積に関する研究を進めている。何れも理論モデルは完成しており、今後は結果と整合的なデータの収集を行い、説得力のあるプレゼンテーションを行わなければならない。論文が英文専門誌に掲載されるためにはこのデータの収集とプレゼンテーションが非常に重要になる。今後は理論モデルの構築と同時にデータ収集と文章の執筆に時間を使い、論文の完成度を高めて行く事で研究目的を達成させたい。

次年度の研究費の使用計画

今年度残額が少額になってしまい使用計画が立たなかった。そのため、次年度に繰り越して旅費として使用したほうがより研究計画に沿った使用が出来ると考えたため。
共同研究を行う際の旅費として使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 10.Horizontal mergers, firm heterogeneity, and R&D investments2013

    • 著者名/発表者名
      Noriaki Matsushima, Yasuhiro Sato, and Kazuhiro Yamamoto
    • 雑誌名

      The B.E. Journal of Economic Analysis & Policy (Topics)

      巻: 13 ページ: 959-990

    • DOI

      10.1515/bejeap-2012-0058

    • 査読あり
  • [備考] 大阪大学研究者総覧

    • URL

      http://www.dma.jim.osaka-u.ac.jp/view?l=ja&u=3380

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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