研究課題/領域番号 |
24730209
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
橋本 賢一 神戸大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (70403219)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | マクロ動学 |
研究実績の概要 |
本研究では生産拠点の変化を導入した国際マクロ動学理論モデルにおいて、海外への生産拠点のシフトや、企業の国際活動に対しての経済政策・貿易政策が、自国および対外諸国のマクロへんす(GDP・消費・雇用率)や為替レート、経常収支、および経済厚生にどのような効果を及ぼすかを分析するものである。特に本研究において、失業を均衡とするモデルとして3つのタイプ(サーチ理論モデル、硬直価格モデル、貨幣的不況モデル)を取り上げて分析をおこなうことである。 本年度は以下1本の論文をまとめた。労働市場の不完全性を捉えることができるサーチ理論を用いて、2国の相互依存関係の議論の前段階として、閉鎖経済体系でのモデル分析をおこない、失業と経済成長の関係がバブルの存在とどのような関係をもつのかを分析した。特に労働市場に関わる政策変数(失業手当など)や経済環境(労使間の交渉力や雇用破壊確率)が、雇用変化を通して、経済成長やバブルの存在に与えるチャンネルを理論的に明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は研究課題に従って1本の論文をまとめた。 失業率と経済成長・バブルの理論的な考察について、 “Bubbles and unemployment in an endogenous growth model,” (2014), Discussion Paper Series No. 1431, Graduate School of Economics, Kobe University.としてまとめられ、研究会で報告をおこなった。
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今後の研究の推進方策 |
まず始めに、平成26年度においてdiscussion paperでまとめた研究を、研究会でいただいたコメントをもとにモデルんお改善をおこない、平成27年度の日本経済学会にて報告をおこなう予定である。またその後、学術雑誌へ投稿する事を考えている。さらには、その研究を国際マクロモデルに応用し、2国間の相互依存関係を明らかにする。 また引き続き、他の失業のメカニズムを用いた研究を、国際マクロモデルに応用し、研究課題としている企業移動との関係を理論分析を進める事にする。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度作成したディスカッションペーパーの作成が2014年12月となり、当初予定の他大学へのセミナーや学会報告に間に合わなかった。その事により、出張旅費など次年度への繰り越しがなされた。
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次年度使用額の使用計画 |
モデル分析をおこなったそれぞれの研究について、コメントをもらうために、研究テーマに関しての有識者のところに研究報告をおこなう。また日本経済学会や他の学会等で、研究成果を報告する予定である。雇用変動のアプローチに関してさらにサーベイをおこうため、国内外の学会に参加をして資料を収集する予定である。
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