研究課題
平成24年度は、我が国の現行の公的医療保険制度に対する人々の評価について、選択型実験の手法を用いて検証を行った。特に、公的医療保険制度のあり方について尋ねた選択型実験の調査結果に基づき、医療の給付・負担に関連する様々な属性の相対的な重要性を条件付ロジット推定によって検証した。また、保険料(税)の料率(収入に対する比例部分)を価格変数として設定した場合に、「通常医療の患者負担」「軽度医療の患者負担」、「高額療養費の負担限度額」といった他の医療費負担が、相対的にどの程度の負担として人々に認識されているかについて、限界支払意思額の計測から検討した。また、平成25年度は、現状の医療保険制度に対する地域住民の評価の特徴を検証した。分析では、選択型実験によるコンジョイント分析の手法を応用し、人々の社会経済的属性、健康状態、生活環境が、様々な医療システムの選好にどのような影響をもたらしているかを抽出した。これらの研究成果は、2012年11月17日の九州大学、中国人民大学、南京大学による三大学ジョイントコンファレンス(Asian Economy in the Truburnce of the World Economy)などで報告を行った。workshopでは、国民の負担感の増加にできる限り結びつかない医療保険制度改革の方向性、あるいは低所得・貧困世帯の負担の緩和の方策について包括的な議論を行った。現在、本研究に関連する複数の学術論文を執筆し、DP化したのちに投稿している。
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http://jairo.nii.ac.jp/0001/00023882/en