公的医療保険制度の評価と費用負担に関する実証分析

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 24730211
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 応用経済学
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 浦川 邦夫 九州大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (90452482)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2014-03-31
• キーワード: 医療経済学

研究概要

本研究では、現行の我が国の公的医療保険制度に対する人々の意見・評価について、主として負担のあり方に注目し、選択型実験などの計量的手法を用いた検証を行った。
分析の結果、保険料の拠出を前提としない医療サービスの導入には、中高所得者層の負担感が高いことが限界支払意思額(MWTP)の計算などから示された。医療費負担の拡大が低所得層の受診抑制につながっているケースが確認されており、今後、健康格差の拡大を防ぐという観点からも、特に国民健康保険の費用負担については、応益割部分の制度の見直しや地域間格差の是正が必要と考えられる。

研究成果

• [雑誌論文] 経済学は健康にどうアプローチしてきたか (2013)
  • 著者名/発表者名: 浦川邦夫
  • 雑誌名: 理論と方法 巻: Vol.28, No.1 ページ: 35-50
• [雑誌論文] 高齢者の就業意欲と実際の就業形態との格差 (2013)
  • 著者名/発表者名: 浦川邦夫
  • 雑誌名: 経済学研究 巻: Vol.80, No.2-3 ページ: 53-67
  • URL: http://jairo.nii.ac.jp/0001/00023882/en
• [雑誌論文] Neighbourhood satisfaction, self-rated health, and psychological attributes : A multilevel analysis in Japan (2012)
  • 著者名/発表者名: Takashi Oshio and Kunio Urakawa
  • 雑誌名: Journal of Environmental Psychology 巻: Vol.32, Issue.4 ページ: 410-417
  • DOI: 10.1016/j.jenvp.2012.07.003
  • 査読あり
• [雑誌論文] 公的医療保険制度に対する重要な知識の欠落の要因 (2012)
  • 著者名/発表者名: 浦川邦夫
  • 雑誌名: 医療と社会 巻: Vol.22, No.1 ページ: 249-263
  • URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/iken/22/1/22_1_41/_pdf
  • 査読あり
• [雑誌論文] 主観的厚生に関する相対所得仮説の検証 : 幸福感・健康観・信頼感 (2012)
  • 著者名/発表者名: 小塩隆士, 浦川邦夫
  • 雑誌名: 経済研究 巻: Vol.63, No.1 ページ: 42-55
  • URL: http://hdl.handle.net/10086/25847
  • 査読あり
• [学会発表] The Role of Capability for work on subjective well-being : labor satisfaction, self-rated health and subjective poverty (2013)
  • 著者名/発表者名: Kunio URAKAWA
  • 学会等名: The International Conference on Social Stratification and Health
  • 発表場所: University of Tokyo
  • 年月日: 2013-09-30
• [学会発表] The association between perceived income inequality and subjective well-being : Evidence from a social survey in Japan (2013)
  • 著者名/発表者名: 浦川邦夫
  • 学会等名: 第2回プロジェクト研究セミナー「主観的厚生に関する実証分析」
  • 発表場所: 京都大学
  • 年月日: 2013-03-22
• [学会発表] 国民健康保険制度における保険財政共同安定化事業の分析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 浦川邦夫
  • 学会等名: 第2回プロジェクト研究セミナー「主観的厚生に関する実証分析」
  • 発表場所: 京都大学
  • 年月日: 2013-03-22
• [学会発表] The choice modeling approach to the evaluation of public health insurance system in Japan (2012)
  • 著者名/発表者名: 浦川邦夫
  • 学会等名: 分析プロジェクト研究セミナー「社会保障・税制の計量分析」
  • 発表場所: 一橋大学経済研究所
  • 年月日: 2012-09-17
• [図書] 日本の地域間格差 (2012)
  • 著者名/発表者名: 橘木俊詔, 浦川邦夫
  • 出版者: 日本評論社