本研究は、サービス貿易に関して課される様々な貿易阻害的措置がどの程度の経済インパクトを持っているかを計量的に明らかにし、その削減がサービス産業の生産性向上によるサービスコストの低下を通じて、企業の海外進出それに伴う国際生産ネットワーク形成に寄与しているか、を実証的に検証することを目指した。研究の結果、当初の目的であるサービス・リンク・コストがどの程度の大きさになるかを計量的に明らかにする点についてはすべてのサービスコストについて明示化することは出来なかったが、特に輸送・交通サービスに関して、コスト削減がヒト・モノの移動円滑化を通じて国際生産ネットワーク形成に影響していることを確認できた。
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