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2013 年度 実施状況報告書

ネットワーク構造が選択行動の集積形成に及ぼす影響についての理論・実証分析

研究課題

研究課題/領域番号 24730216
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

伊藤 亮  名古屋市立大学, 経済学研究科(研究院), 講師 (30516000)

キーワードネットワーク / サプライチェーン / 中心性 / 租税競争 / 立地選択
研究概要

平成25年度においては、取引ネットワーク上の企業による2地域項選択モデルの構築及び分析を行った。その結果、各企業のランダム利得が一様分布に従い、かつ個人情報であるという想定のもとで、各プ企業の戦略均衡における行動が、社会学等の分野におけるネットワーク評価に使用されている"Katz-Bonachich 中心性"と呼ばれる指標によって明示的に説明可能であるということが示された。またこの結果を国、地域間の租税競争に拡張し、税収最大化を目指す地域政府が、取引数(次数)の多い企業に対して税制優遇を行い、他の企業の誘致を戦略的に行うという結果が得られた。この結果では、相対的に劣位な条件下にある地域が相対的な租税回避地になるという結果が得られたが、他方でこの結果は社会的に望ましくなく、優位な地域への集積を促進することが社会的に望ましい解であることも示された。また、この社会的最適な立地誘導においては、Katz-Bonachich 中心性の高い企業をより集中させるという政策が望ましいことも併せて示されている。また、これらの政策に関する数値分析も行っている。
25年度はこれらの基礎的な研究成果を公表するための英語論文を執筆し、国際誌への投稿を継続的に行った。また、国内で開催された関連する学会・研究会への参加を通じて、研究成果をより緻密かつ一般的な結果につなげるためのディスカッションを繰り返し行った
。これらの成果をもとに、論文の改訂を継続的に進めている。さらに、他大学の研究者との共同研究により、企業の立地とKatz-Bonachich 中心性の関係について、企業間の取引構造ネットワークのデータを活用した実証分析を進めており、その研究についても今後国際学会での報告や国際誌への投稿をすすめていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2年目までに予定されていた2項選択モデルについての基礎的な解析はおおむね終了し、地域間の租税競争といったより応用的な問題への拡張が進んだため、これらについてはおおむね順調に進展している。他方で、数値解析については小規模な計算をいくつか行ったものの、理論的な解析結果のサポートにとどまっており、独立した大規模な計算を今後実施する必要がある。しかしながら、実証分析については順調に結果が出そろっているなど、当初の予定以上に順調に進展している部分もある。

今後の研究の推進方策

平成26年度においては、実証分析に関する論文執筆と精査を中心に進める。合わせて、理論的分析に関する国際誌への投稿も継続的に行う。また、より一般的な理論・実証分析を行うために、ネットワーク外部性を考慮した多項選択モデル構築の準備も進める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Inter-firm networks and location choice: A new perspective on industrial agglomeration and tax competition

    • 著者名/発表者名
      伊藤 亮
    • 学会等名
      North American Regional Science Council
    • 発表場所
      Hyatt Regencies, Atlanta, Georgia, USA.
  • [学会発表] Inter-firm networks and location choice: A new perspective on industrial agglomeration and tax competition

    • 著者名/発表者名
      伊藤 亮
    • 学会等名
      日本経済学会秋季大会 ポスターセッション
    • 発表場所
      神奈川大学 横浜キャンパス

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公開日: 2015-05-28  

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