排他条件付取引とは,競合他社との取引をしないことを条件として垂直的取引を行うことをいう.本研究では,効率的な企業の参入を阻止する反競争的な目的で,排他条件付取引契約が実現する状況を理論分析・実験分析によって明らかにすること目的とする.理論研究では,反競争的な排他条件付取引の実現可能性は,川下企業の効率性の尺度,直営店の設置可能性,補完財市場の状況に依存することが明らかになった.一方,実験研究では,参入阻止の実現可能性は,参入企業が既存企業かどうか,参入企業の川下企業との交渉内容が観察可能かという要素に大きく依存することが明らかになった.
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