本研究では、わが国の医薬品産業でのM&Aが、その後の企業パフォーマンスにどのような影響を及ぼしているのか、明らかにした。なお、分析においては、財務データと株価データを利用し、Propensity Score Matching(PSM)法を用いることで、M&Aの効果を検証している。分析結果によると、長期的には、研究開発投資を増加させる一方で、企業パフォーマンスは悪化していることがわかった。また、株価における、M&A実施の効果については、3つの方法で検証したが、それぞれ異なった結果が得られており、明確な結論を得ることはできなかった。
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