本研究では、第一に、探索的空間データ分析の手法により「成長クラスター」(技術的に近接にある成長産業の地理的な集積)を検出した。第二に、検出された成長クラスターの形成に、どのようなタイプの動学的外部性が寄与しているのかを空間計量経済モデルを構築して分析した。名古屋大都市圏を対象にした分析によれば、成長クラスターのコア部の形成には、輸送用機械と技術的に近接にある各種多様な製造業やサービス業の間での外部性の波及が寄与している。一方でクラスター縁辺部は輸送用機械と電気機械のみにより形成されており、同一産業内の外部性がクラスター内の広い範囲に波及してそれら産業の成長に寄与していることが分析された。
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