研究課題/領域番号 |
24730241
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
荒戸 寛樹 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 准教授 (90583518)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 流動性の罠 / 情報公開政策 |
研究実績の概要 |
金融市場の不完全性と情報の不完備性が流動性の罠に与える影響を調べるために、2014年度は特に情報の不完備性下において政府の情報公開が民間主体の行動にどのような影響をもたらすのかというより基礎的な問題について、理論と実験の両アプローチを用いて研究を行った。 一つは、政府の情報公開を適切な範囲に限定して行うことができるか否かについての理論的アプローチを2013年度から引き続いて行い、政府が民間主体に対して情報を売却する状況においては、情報売買の均衡が不安定になり、政府が適切な範囲への情報公開を行うことが難しい場合が存在することを示した。この論文は引き続き国際雑誌への掲載を目標として改訂中である。 もう一つは、情報を受け取ることによって経済主体の行動がどのような影響を受けるかという問題を実験経済学的なアプローチによって解明する研究である。本研究では、人々がお互いの予想を予想し合うような状況においては公共情報と私的情報の重要性に違いが生じることを利用して、人々のどの程度のレベルでの合理性を持って行動するのかを調べることができる。この研究は合理性を仮定した理論研究の結論と現実の間に生じる乖離を説明するために重要な研究である。本研究は現在実験データの解析中であり、2015年度中に論文にまとめる予定である。 結果として、2014年度は流動性の罠が生じるメカニズムの基礎づけに関して有益な研究を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初とは論文の執筆順序等に変更が生じたものの、申請時には発見できなかった課題に対処するなど、全体として本課題に対して、理論・実験的な基礎づけを持った解明が進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
申請時には想定していなかった課題の発見や論文の改訂等により、補助事業期間の2015年度までの延長を申請し認められた。2015年度はこれまでの研究の成果を国際雑誌に発表するとともに、それを土台にして本研究課題についてまとめた論文を執筆する。
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次年度使用額が生じた理由 |
流動性の罠と経済成長の関係についてのシミュレーション手法に誤りを発見したため、予定していた海外学会の報告を行わなかったため次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
上記のシミュレーション結果および2014年度の理論・実験の結果を学会報告および論文にて発表するための経費として用いる。
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備考 |
論文2本を改訂及び執筆中。成果は順次研究代表者webサイトにて公開する。
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