政策的な自由貿易等の経済統合プロセスの深化は、各国経済の生産要素移動や産業構造に大きな影響を与える。本研究では、ヨーロッパの経済統合とアジア、特にアセアン地域で始まろうとしている経済統合プロセスの深化によって、一国の経済政策や企業の取り組みが、他国にどのような効果を及ぼすのか、理論的背景を整理し、実証的に分析を行った。特に本研究では、経済統合・自由貿易地域において、一国が資本蓄積を進め、経済発展に成功する反面、資本蓄積が進まず、経済の停滞が起こっている国の存在を確認することができた。ここでは、複数錐型HOモデルを使った実証分析により、国家間の連動性と産業構造上の格差を明示することに成功した。
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