研究課題/領域番号 |
24730243
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤井 大輔 神戸大学, 経済学研究科(研究院), 研究員 (70598432)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交換 / 中国 / 空間統計学 / 産業集積 / 地域開発政策 |
研究概要 |
中国では、「西部大開発」や「東北振興」に代表されるように、沿海・内陸間で拡大し続けていた地域格差の是正を旨とした地域開発政策が2000年代に入り、順次、本格的に実施され、企業所得税の優遇など企業の移転を促すような具体的な政策も実施されている。このような地域開発政策が、企業の立地にどのような影響をもたらしているかを分析するために、2012年度は、地理情報が付けられた1995年中国工業センサスならびに2004年経済センサスGISデータを用いて、三ケタ産業分類レベルで製造業170業種の産業集積地の動向を空間統計学的手法により集計した。 分析の結果、まず企業数についてであるが、中国の急速な経済発展ならびに工業化のの進展により、地域を問わず、大半の産業で大幅な企業数の増加がみられることがわかった。 続いて企業立地の地理的な分布であるが、プラスチックやゴム等の化学工業ならびに電子計算機や通信設備等の電子工業分野で1995年時点で集積が確認された地域の周辺部へと集積の地理的範囲が拡大した一方で、農産品加工や繊維アパレル等の軽工業分野では、立地の飛び地的な分散が進んでおり、一部では内陸部への移転も見られた。 ただし、製造業の全体的な傾向としては、2004年時点では依然として経済発展が先行して進んでいる沿海部に集積が形成されており、そこから離れて内陸へ移転しようとする傾向はほとんど見られなかった。このことから、企業立地により地域格差を是正するためには、より一層の内陸への企業の移転を促す必要があることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究で明らかにすることとして、1.基礎的な統計の集計による経済状況の空間分布、2.産業集積が空間統計学的に有意に検出される地域とその動態、3.企業の立地分布の要因、4.地域開発政策の成果の評価ならびに問題点の明示を挙げていた。 これらを明らかにするために、1995年・2004年・2008年の3時点のセンサスデータを用いて分析を行う予定であった。しかし、データベンダーの都合により、2008年センサスデータが2013年4月時点で入手できていない状態となっている。そのため、1995年と2004年データのみを用いて、明らかにすべきことのうち1、2、4を完了させている状態である。
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今後の研究の推進方策 |
前述の通り、2008年データがまだ入手できていない状態である。2013年度が研究期間の最終年度であることを踏まえ、2008年データの入手を待つとともに、すでに入手している代替の2008年の企業個票データベースをもとに、空間情報を付与したデータベースを構築し、当初の目的であった1995年・2004年・2008年の3時点での企業立地の比較分析を行う。同時に、現時点で一通りの分析を終えている1995年と2004年データを用いて論文を執筆する。 なお、申請時の計画にあった学会発表は6月に代替データを用いて予定通り実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度に購入予定であった2008年度経済センサスデータ(3400USドル)が支出の中心となる。残りは、6月の学会報告費用、論文投稿にかかわる英文校閲や消耗品購入、ソフトウェア更新費用に使用予定である。ただし、最近の急激な円安の進行により、消耗品購入は見合わせる可能性がある。
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