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2013 年度 実施状況報告書

奨学金制度の変更が進学行動・教育の収益率に及ぼす効果の実証分析

研究課題

研究課題/領域番号 24730244
研究機関千葉大学

研究代表者

佐野 晋平  千葉大学, 法経学部, 准教授 (80452481)

キーワード進学行動 / 政策評価
研究概要

本研究課題の目的は、奨学金制度変更に地域差があることを自然実験とみなし、(A)進学費用の低下がどのような家計の進学行動に影響を与えたのか、(B)進学時点で制度変更に直面した個人が労働市場での成果にどのような影響を与えたのかを明らかにすることである。
本年度は上記(A)について、1.市町村データを用いた分析、2.入手可能な個票データ(Japanese General Social Surveys(JGSS))による分析を行った。
1については、奨学金申請のための収入基準額の変更の地域差を利用し、1996-2003年の市町村データを用いDifference in Differencesにより制度変更が進学に与える効果を分析した。推計結果によると、制度変更に影響を受け、受給資格が拡大したグループの短大・大学への進学確率は上昇するが、その効果は制度変更直後に限定されることが明らかとなった。上記の結果を学術論文としてまとめコンファレンスにて報告した。
2については、収入基準の緩和が生じた地域内に居住していたとしても収入区分により影響が異なることに着目した分析を行った。15歳時点の居住地及び親の属性がわかる個票データを用い、親の属性(学歴、年齢、職業)と外部公表データ(就業構造基本調査など)を用い家計所得を推計した上で、Triple Differenceを実施したところ、制度変更に影響を受け、受給資格が拡大したグループの、短大・大学への進学確率が上昇したことが確認された。上記の結果を学術論文としてまとめ紀要論文として公刊した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度までに整備したデータを基に分析を行い、2本の学術論文としてまとめた。一方、当初予定していた個票データを申請したが、分析上の問題が生じたため、利用を断念し、他の方法を模索している。

今後の研究の推進方策

コンファレンスで報告した論文を英文としてまとめ、学術雑誌への投稿を行う。制度変更の影響が短期的であった原因を明らかにする。利用可能な個票データの申請を行う。

次年度の研究費の使用計画

年度途中に他研究機関へ異動したため、旅費及び研究補助者雇用に関して当初の計画からの変更が必要となったため。
分析データの精査および調査のための研究補助者を雇用、学会等への参加のための旅費および英文校閲のための費用として使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 奨学金と進学行動2013

    • 著者名/発表者名
      川本貴哲・佐野晋平
    • 雑誌名

      国民経済雑誌

      巻: 第208巻、第4号 ページ: 69-78

  • [学会発表] 奨学金の制度変更が進学行動に与える影響2013

    • 著者名/発表者名
      佐野晋平
    • 学会等名
      第2回 教育経済・教育政策研究コンフェレンス
    • 発表場所
      慶應義塾大学
    • 年月日
      20131214-20131214

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公開日: 2015-05-28  

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