研究課題/領域番号 |
24730253
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
平田 英明 法政大学, 経営学部, 教授 (60409349)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アメリカ合衆国 |
研究概要 |
①先行研究のサーベイ:グローバルに投資家の集まる米国の金融市場に関する先行研究の他、わが国の債券市場のように海外投資家が殆ど存在しない金融市場の研究についても先行研究をサーベイした。これは、理論モデルや実証モデル構築の基礎となる。想定していたとおり、差があっただけではなく、グローバル金融危機の前後で大きく変化が生じている可能性が見られた。 ②予測者(機関投資家)の特徴の分析、担当業務ごとの実際の予測の実情の調査とデータセット作成:①のサーベイを通じて米国については機関投資家毎の特徴を把握可能であるが、日本に関しては先行研究が限られることもあり、まずは実情把握に努めた。バイサイド・セルサイドといった担当業務に伴うスタンスの違い、市場分析をする際に注目するファクターの違い、経年的な変化に伴う予測特性の変化などを考慮し、データセットを作成した。 ③実証分析の実施:データを用いた計量分析を行った。 ④不確実性の定量化:研究を進めるにつれて、不確実性の役割の重要性が見えてきた。そこで、データを構築し、資産価格変動について不確実性の果たす役割について研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1.昨年度の研究を活かして作成した"Belief changes and expectation heterogeneity in buy- and sell-side professionals in the Japanese stock market."が査読誌Pacific-Basin Finance Journalに掲載された。 2.不確実性の定量化を行い、市場の期待が資産価格に与える影響を分析した"Global House Price Fluctuations: Synchronization and Determinants."がNBER Working Paper No. 18362としてリリースされた。 3.それ以外にも既に分析が進み論文のプロトタイプがいくつか出来上がりつつある。
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今後の研究の推進方策 |
わが国の投資家毎の期待の異質性の存在と異質性の要因を明らかにし、そこから得られる経済政策的意義を整理し、論文作成実証分析結果の解釈とそこから得られる経済政策上の留意点を整理していきたい。本研究が世界的にも認められる水準をクリアするように、欧米の大学、政策当局、国際機関での学会発表の場などでの意見交換を参考に論文を改善し、学術誌に投稿することを目標とする。 期待の異質性を踏まえて、金融資産価格の予測データが物価や景気に先行性を有する情報変数として活用できるかを実証的に検証し、論文作成経済政策運営に市場の期待のデータをどのように使えるかを実証的に提示することで、学術的な貢献だけなく、実務的な貢献も果たしていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定通り、学会発表等を中心に研究費を活用する予定である。また、在外研究で米国に滞在しているため、研究に必要な基本的な用品等を揃えるのにも活用する予定。
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