本研究では、様々な角度から期待の異質性を考慮して資産価格に関する研究を行った。第一に、日本の株式投資家が期待を形成する際,複数の戦略を用いており、それら戦略を時間を通じて使い分けている。この戦略の切替えが株価のファンダメンタル価格からの乖離を説明する上で重要である。第二に、先進国の住宅価格の国際的な連動性を考察するために、FAVARモデルを用いて分析を行い、国際的な金利動向が負に有意に効くのに加え、不確実性ショックが大事な役割を担っていることがわかった。第三に、アジア新興諸国における近年の株価連動性の高まりの要因が、主に先進国からの間接的な影響によることがわかった。
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