研究課題/領域番号 |
24730258
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
野崎 華世 慶應義塾大学, 先導研究センター, 研究員 (40588927)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 女性労働 / 職種 / 経済政策 |
研究概要 |
人口減少社会における職種からみた女性の継続就業と再就職に関する実証分析を行うため、本年度は、研究の下準備を中心に行っていった。まず始めに、JGSS(Japanese General Social Surveys)2000-2010累積データを利用して、若年者の労働市場における世代効果の検証と職業分布の世代間差の縮小を示し、特に女性で若年世代と上の世代との職業分布の差が縮まっており、女性の職域が世代間で重なってきている傾向を明らかにした。さらに、女性の継続就業を妨げる一つの要因である「3歳児神話」について、JCPS(Japan Child Panel Survey:日本子どもパネル調査)とその親調査であるJHPS(Japan Household Panel Survey:日本家計パネル調査)、KHPS(Keio Household Panel Survey:慶應義塾パネル調査)を使用し分析を行った。その結果、3歳児までの母親の就業は子どもの発達に負の影響を与えている可能性があるが、その効果は子どもの年齢が高くなるほど薄れ、中学生では関連がないことを示した。加えて、JGSS-2009LCS(Life Course Survey)を用いた職種と子ども数に関する分析も現在進行中である。少子化が進行すると、生産年齢人口が減少し労働力が不足する。労働力不足を補うための主な解決策の一つとして考えられる女性労働力の活用に向けて、今年度は、我が国における女性の職域が世代間で重なってきている現状を明らかにし、3歳児神話という継続就業を妨げる要因の効果についての検証を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、マイクロデータを用いて女性の職域に関する分析と継続就業に関する分析を行ってきた。しかし、職業と子ども数の関係に関する分析はまだ作業段階である。そのため、「(2)おおむね順調に進展している。」とした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、引き続きJGSS-2009LCS(Life Course Survey)を用いた職種と子ども数に関する分析を行う。そして、もし可能であれば政府統計を利用し、この研究の補足も行いたい。しかし、政府統計の利用は申請書作業に時間を要すること、また、大規模データとなるために分析するためのデータ整備・データ作成に時間がかかることも予想される。これらの問題に対応するために、これまで政府統計を利用してきた研究者に適宜助言を受けて作業を進めたい。加えて、研究に用いる分析手法に関しても、適宜助言を受けていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は、予定していた金額よりも少ない予算でパソコン等の物品を購入することができたため、次年度に繰り越しを行っている。次年度も引き続き、繰越金を含めた研究費を活かした研究を行っていく予定である。具体的には、職業や女性労働に関する研究図書や、理論的・実証的研究に関する研究図書が必要となる。また、政府統計を利用する場合、外部ネットワークに接続しないパソコンが必要となる。このほか、論文や資料を印刷するプリンタやインクも必要となってくる。さらに、研究を進めるための知見を得るための学会への参加費なども必要となる。
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