港湾貨物流動と地域経済構造の空間的相互依存関係を明らかにすることが本研究の目的であり、先進主要国に加え、新興工業国・後進開発国をも対象に、同一変数・分析枠組みを用いることで、移輸出入別・似姿別・品目別貨物の空間的分布・特性と地域経済構造の関係性やその地理的な影響範囲を議論する。具体的には、港湾属性変数と地域経済変数から各地域で類似する特性要因を抽出・グループ化し、国際比較分析を行った。
本年度は、世界40カ国(計352の港湾地域)を対象とした定量分析結果を学術論文としてまとめ、国際学術雑誌に投稿し論文掲載が確定した。さらに、環太平洋地域のみを対象に、海上貨物輸送データ(Lloyd'sデータによる船舶動静)をも統合・分析することで、港湾地域毎の特徴だけでなく、そのネットワーク、いわゆるグローバル・サプライチェーンとの関係性、さらにサプライチェーン内での各港湾地域の位置付けやその特性などを考察し、学術論文としてまとめた。
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