港湾・海運研究において、貨物流動とその地域経済構造との関係性分析の多くは定性分析で、体系的かつ包括的な定量分析は乏しく、また港湾取扱量の統計分析が中心である。他方で、港湾は地域経済において独立した機能として認識され、どのような地域経済と港湾貨物が結びついているのか、あるいは重要な空間的相互依存関係があるのかなど、港湾貨物取扱に関する定量分析も十分ではない。本研究では、先進主要国のみならず新興国なども含めたグローバルな視点で実証分析を行った。その結果、空間的な貨物流動分布においては、ある程度規則的な性質を有した港湾地域の類型化がなされ、また港湾地域における政策示唆も議論した。
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