本研究では金融危機時に焦点を当て、中小企業の資金調達行動の動向、資金調達行動と企業パフォーマンスの関係などを、主に企業の財務データを利用して分析した。主な結果は下記の通りである。1)中小企業の負債比率と企業パフォーマンスの関係はプラスであり、その分散も大きくなる。2)リーマンショック時の企業間信用のは実物取引の縮小により決定され、銀行融資と補完的な動きをする。3)銀行と中小企業の取引関係は通常時、ショック時ともにリスクが大きい、もしくは資金需要が小さい中小企業においてより多く発生する。4)銀行との取引関係が終了した中小企業は、ショック時に銀行融資ではなく、内部資金の取り崩しにより対応している。
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