• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

高頻度データを用いた市場期待の計測:外国為替市場を事例として

研究課題

研究課題/領域番号 24730277
研究機関早稲田大学

研究代表者

北村 能寛  早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (90409566)

キーワード市場期待 / オーダー・フロー / 高頻度データ / マイクロストラクチャー
研究概要

平成25年度は、主に研究論文の作成に重点を置き、2論文の執筆に至った。2論文の内容は、それぞれ(1)外国為替市場の効率性計測における新たな方法の提案、(2)高頻度水準での情報トレーダーの出現確率測定における新たな方法の提案である。これら2論文は、”市場期待”を為替レートに反映させるという、オーダー・フローの役割に着眼することでなされた研究である。
オーダー・フローとは、売値に対する買い注文から買値に対する売り注文を引くことで求められ(=ネットでの成行買い注文)、ネットでの買い圧力であると考えられる。それ故、オーダー・フローには”買い”を誘引する私的情報が背後にあると考えられている。実際に、オーダー・フローは将来のCPIの変動などマクロ変数を予測することが、いくらかの研究で報告されている。これは、為替レートに影響する将来の情報を予測するかたちで、取引参加者は成行取引をおこない、結果としてオーダー・フローに将来の情報が反映されるかたちとなる。つまりは、情報が為替レートに直接反映されるのではなく、情報→取引→オーダ・フロー→為替レートといった間接的経路で情報は為替レートに反映される。故に情報が市場参加者間でどのように解釈され、市場参加者の期待形成に影響するのはか、オーダーフローの大きさならびに方向に現れると考えられる。
以上の市場期待形成におけるオーダー・フローの役割を前提として、最初に述べた2論文を執筆した。論文(1)では、オーダー・フローの為替レート予測力の有無で、市場効率性を定義、論文(2)ではオーダーフローの為替レート変化に対するインパクトの大きさ、ならびにそのインパクトの持続性に注目して私的情報取引の計測を試みた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ワーキング・ペーパー・レベルではあるが、課題研究に関連する2論文を執筆でき、国際学会での報告ならびに国際専門誌への投稿準備が整いつつある。

今後の研究の推進方策

上で説明した2論文を、国内外での学会報告でのコメント等を反映させ、より一般的に受け入れられる内容へと改訂する。更には、研究において副産物的に生まれた、オーダー・フローの情報伝達力に関連した論文の執筆をも計画している。

次年度の研究費の使用計画

2013年度は論文執筆に注力し、国際学会での報告を2014年度に延期したため。その結果、2本の論文が執筆された。
当初予定していた支出内容どおり、2014年6月に開催される"Vietnam International Conference in Finance"をはじめ、国際学会での報告、データー購入等に使用する。

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi