金融に関する基礎知識(金融リテラシー)の差はどのような要素に影響を受けるか、その差は家計管理の巧拙と関連するか、日米比較を中心に検証した。2012~2014年にかけて日米でアンケート調査を実施した結果、アメリカは日本に比べて金融に関する意思決定への自信が強く、その違いがリテラシーの差と関連することが示された。また、貯蓄行動に関しては、日本では難易度の低い質問の理解度は貯蓄行動に影響しないのに対し、アメリカでは大きく影響する可能性が示唆された。さらに、アメリカでは、2006年以降の住宅市場縮小期に変動金利で住宅ローンを取得した人のリテラシーが有意に低いことが確認された。
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