研究課題/領域番号 |
24730290
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
石川 耕三 山口大学, 経済学部, 准教授 (30554753)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 国際情報交換 / インドネシア |
研究概要 |
平成24年度は、本研究計画の初年度であるため、国内での関連文献・関連統計・関連情報の整理・読みこみを中心に、研究計画の基礎を固める作業を中心に行った。それに加え、当初計画通りインドネシアでの現地調査(1回、10日前後)を行い、当研究計画に関わる文献資料・統計資料を収集し、さらに若干のインタビューを実施した。また、整理段階にある論文草稿について議論するため、東京および大阪にて開催された研究会に参加・発表し、本研究計画に関わる研究成果を公刊ないし発表するための準備を行った。なお、その東京出張の際、インドネシア国内にもまとまった形では存在しない中央銀行(ジャワ銀行およびインドネシア銀行)に関する資料を収集するため、千葉市のアジア経済研究所図書館を訪問し、資料の閲覧・複写を行った。 文献調査および現地調査等の結果、1950年代に存在した個別商業銀行の資料は想像以上に少ないことがわかった。しかし、当時の通貨発行銀行(中央銀行的役割を果たす)であり商業銀行業務も兼営していたジャワ銀行(De Javasche Bank、1953年に国有化されインドネシア銀行(中央銀行))の資料は、比較的残存している。中央銀行として行ったマクロ経済の分析のみならず、商業銀行業務の概要に関する資料を収集することができた。よって、ジャワ銀行=インドネシア銀行を中心に1950-60年代の銀行業務を再構築すると共に、プルダニア銀行(日系銀行)の歴史を再発掘し、比較対照することで当該時期の金融システムを分析することとしたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本務校での留学生関連公務(山口大学経済学研究科公共管理コース)に関わる海外出張(ラオス出張など)および国内出張が複数回入ったため、本研究課題のための海外出張を予定に入れることが難しかった。その点は、研究計画最終年度の平成25年に持ちこし、優先して現地調査のための海外出張を行う予定である。平成25年度は本研究計画の実施を最優先して行う。 また、現地調査(インドネシア、1回、約10日)で得られた資料の整理や読み込みも、やや遅れている。夏季休暇にて再び現地調査を行うまでに、整理等に目途をつけておきたいと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、当該時期(1950-60年代前半)におけるジャワ銀行=インドネシア銀行全容把握を第一の課題として、オランダおよびインドネシアでの現地調査を行う。 オランダでは、ジャワ銀行に関するオランダ側からの資料発見を中心に、オランダ貿易会社、チャータード銀行、蘭印商業銀行、エスコンプト銀行その他の(蘭印)植民地銀行に関する資料を収集したい。個別銀行に関わる資料収集が難しいようであれば、ジャワ銀行に関する資料に集中して調査期間を充てることとしたい。 インドネシアでの調査では、インドネシア銀行(中央銀行)に関わる調査を中心に、比較対象としてマンディリ銀行(通貨危機を経て諸国営銀行を統合、民営化)に関する調査を行いたい。マンディリ銀行博物館所蔵資料を出発点に、残存する一次資料を出来うる限り収集・発見したいと考えている。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に実施できなかったインドネシア現地調査を行うととともに、当初計画通りにオランダにて文献収集を中心とする現地調査を行う予定である。平成25年度は、このような現地調査およびそれに付随する費用を中心に研究費を使用したい。インドネシア現地調査が10日前後で計2回、オランダ現地調査が10日前後で1回、を予定している。また、現地での資料整理のためのノートブック型パソコン、付随するソフトウェアを若干額、計上した。 平成25年度は、本研究計画の取りまとめの年であることもあり、平成24年度に得られた資料や情報を研究発表ないし論文草稿のかたちにしてまとめ、主として東京で開かれる予定である研究発表会で発表し、議論を深めることも考えている。それ以外にも、当研究計画に関わる大阪周辺在住の方へのインタビューも予定している。そのため、上述に関わる国内出張を、東京2回、大阪2回を計上した。
|