本研究は、これまで国際経済史的観点からあまり論じられることがなかった1940年代という時代を考察対象時期として、英米の覇権交替という背景のもとでの英領インドとイギリス帝国域外国(日本、アメリカ)との関係という大きな、かつ重層的な枠組みのなかでインド脱植民地化の経済的側面について再検討することを試みている。本研究成果では、1930年代末から1940年代という独立直前の時期のインド政庁が、市場としてのイギリス、イギリス帝国諸地域の重要性を考慮するとともに対アメリカ貿易の発展の可能性も探り、多面的に対応していたことを論じている。
|