本研究は、18世紀における南アジアならびに東南アジアでの熱帯産品輸出経済の萌芽・形成を分析するものである。具体的には、ジャワ、ベンガル、コロマンデル、グジャラートにおける砂糖、綿織物などの生産、集荷や輸出といった実態を,オランダ東インド会社文書を利用することで考察した。以上の研究により、東アジアとは異なった発展経路をもつ南・東南アジア経済を歴史的に解明し、もって、近代アジア・世界経済における国際分業体制下に、ローカルな熱帯産品輸出経済がいかに形成されたかを明らかにすることで実証的なグローバル・ヒストリーの議論の下地ともなりうる研究を目指したところである。
|