第二次世界大戦後のブレトンウッズ体制にあって30年近く継続したスターリングエリアおよびスターリングシステムの展開を、戦後の国際経済秩序を構成した「通商」「通貨」「金融」「開発」レジーム の展開に位置づけながら明らかにした。また脱植民地化および冷戦の文脈で再編され、解体まで30年近く要したことを明らかにした。そして、コモンウェルス諸国やイギリス植民地といった発展途上地域の開発・経済建設のための援助・投資問題と分かちがたく結びつき、またこれら国々・地域の対外通貨・金融「インフラ」をスターリングシステムが担ったことが、大戦後スターリングエリアの基本的性格を考察するうえで重要であることを指摘した。
|