研究課題/領域番号 |
24730320
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
折戸 洋子 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (70409423)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | デジタルアイデンティティ / プライバシー / ソーシャルメディア |
研究実績の概要 |
今年度は、本科研費テーマに関する調査・研究のうち、デジタルアイデンティティの形成を支えるプラットフォームとなっているソーシャルメディアの利用状況およびそのビジネスモデルについて、若者世代がどの程度理解し、認識しているのか、また、それに基づいた情報発信行動を行っているのかについて主に調査研究を行った。その結果、ソーシャルメディアビジネスのプラットフォームの仕組みやそのビジネスモデルが、デジタルアイデンティティ形成に影響を与えているにもかかわらず、利用者、特に若者世代の利用者はそれに対する認識や知識を十分に有しておらず、また、ビジネスモデルに対する知識がそこでの情報発信行動に影響を与えていない傾向にあることが考察された。 他方、ソーシャルメディアに公開された個人情報を利用して個人への監視を行う体制が強化されつつある現状についても調査を行った。エドワード・スノーデンのケースを題材にした研究報告では、ソーシャルメディアへの情報監視が行われている事実に対するユーザの認識の現状が検討された。また、ソーシャルメディアに提供された情報も含めた個人に関する情報が断片的に収集され、再構築される現代的な情報環境や、個人の死後にその個人情報が用いられることに対するリスクについての研究報告が行われた。これらは社会に蓄積された個人情報がどのようにデジタルアイデンティティ形成に用いられ、本人やその関係者にとっての影響をもたらすのかと密接に関わっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査および考察については順調に進展している。しかし、調査対象者の選別については、先方の都合もあり、来年度に調査を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
アンケート調査およびヒアリングの実施を行い、デジタルアイデンティティ教育に貢献する提案を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査対象者の確保が難しかったため、アンケートおよびヒアリングの実施が遅れ、そのための予算執行ができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度、行えなかった調査を実施するための出張およびデータ集計を行う。
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