研究課題/領域番号 |
24730321
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
中道 一心 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 准教授 (60512001)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 製品ライン戦略 / 事業成長 / 価値獲得 / 事業システム / デジタルカメラ |
研究概要 |
日本企業各社の製品ライン戦略の変遷を定量的に把握するための準備作業をおこなった。 調査対象企業7社に対して、本調査への協力を依頼するとともに、調査対象企業が提供可能な量的データについて打ち合わせをおこなった。企業側が保有していないデータについては、代替するデータを検討し、入手した。 その作業と並行して、各企業が描いたストーリーや製品ライン戦略を実行する事業システムの設計について記述されている各社のホームページ上の資料や雑誌記事などを収集し、把握に役立てた。一部の企業がどのように製品ライン戦略を描いてきたのか、そして、製品ライン全体を如何に組織的にマネジメントしてきたのか、また、製品ライン戦略を遂行するうえで事業システムは如何に設計されてきたのかについて、整理をおこなった。 そのうえで、それらの企業の開発・生産・購買・販売などの機能部門の担当者に対して、インタビュー調査を実施し、意思決定が如何になされたのか、その意思をカタチにするために、どんな困難に直面し、どう乗り越えたかを把握している。 これらの調査研究と並行して、スマートフォンの急激な普及によりデジタルカメラの出荷台数が減少するという状況が明らかになってきたので、写真とはいかなる価値を提供するものであるのか、これまでの「カメラ」がどんな代替製品や補完製品を持ってきたのかについての調査研究もすすめた。これは製品ライン戦略を描くうえで、代替製品や補完製品との関係を理解することは重要だと考えたためである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初は調査対象企業を5社程度と考えていたが、2012年度中に7社の協力が得ることができ、その資料収集とインタビュー調査を行った。一方で、企業数が増えたことで、事例を整理するという完成度の面では、若干進捗が遅れている。しかし、2013年度に協力依頼と資料収集、インタビュー調査を行おうとしていた企業を先行して調査しているので、トータルで考えると、おおむね順調に進展していると考えてよい。
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今後の研究の推進方策 |
2012年度のフィールドリサーチに加えて、買い替えや買い増し時の上位移行に携わる小売企業にも聞き取り調査を行い、そこで得られた知見をもとに、事業成長と価値獲得の要因とその論理を明示する。そして、その際、1次情報を公開可能な形で文書化し、研究成果をいくつかの学会発表を通して社会に還元するとともにブラッシュアップを図る。また、協力企業に研究成果と具体的な施策を示し、評価を受ける。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度は3万円強の残額が生じたが、年度末に無理な年度内消化しなくてよいとのことであったので、今年度有効に活用することを選択した。したがって、今年度の使用計画に大幅な変更はない。
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