研究課題/領域番号 |
24730326
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
高橋 勅徳 首都大学東京, 社会科学研究科, 准教授 (70352482)
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キーワード | 経営学 / 企業家研究 / 社会企業家 / 環境経営 |
研究概要 |
平成25年度は、(1)本研究課題に関する学会報告、(2)論文執筆および、(3)フィールドワークを実施した。 まず、(1)学会報告については、2013年9月にJapan Forum of Business and Society(於 早稲田大学)において「持続可能な観光(エコツーリズム)に関する法制度と社会企業家の戦略的行為:座間味村におけるダイビングスポーツとサンゴ礁保全活動の事例を通じて」、同年11月に日本ベンチャー学会(於 沖縄大学)において「ベンチャー企業における企業家的管理:株式会社ベアーズにおけるISO9001およびアメーバ経営の導入事例を通じて」の研究報告をおこなった。 次に(2)論文執筆については、2013年12月に関満博編『たまの力:多摩ブルー・グリーン賞受賞企業のNEXTSTAGE』が発刊された。高橋は産業廃棄物の処理・リサイクル事業を営む株式会社トリデ、多摩産材を利用した高性能住宅を提供する株式会社小嶋工務店、未利用魚の有効活用を図る一般社団法人調布アイランド等の調査および原稿執筆を担当した。また、①の学会報告の成果に基づき、日本ベンチャー学会学会誌、日本情報経営学会学会誌に投稿し、後者については掲載許可を得ている(平成26年度6月に発行予定)。 最後に(3)フィールドワークについては、前年度より実施してきたコンバージョンEV事業を営むイーブイ愛知株式会社の調査を継続すると共に、新たな調査先の開拓を行った。具体的には、多摩産木材を利用した耐震高性能住宅を製造・販売する小嶋工務店、宮古島市における再生可能エネルギーの社会実験、畜産業のブランド化を通じた村おこしを目指す株式会社みやじ豚の調査を行った。これらの研究成果については、来年度に学会報告および、投稿論文として発表される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度に実施した理論・方法論研究および、フィールドワークの成果が、平成25年度に学会報告二回を行うだけでなく、研究成果の一部が編著の一部として発刊された。また、平成24年度~平成25年度にかけて実施した研究活動の成果が順調に論文として執筆されており、日本ベンチャー学会誌に投稿受理が1本、日本情報経営学会誌に掲載許可が1本、編著として3本の原稿が上梓されており、全て平成26年度中に発表される予定である。 更に、これらの学会報告及び論文執筆活動を通じて、新たな調査対象(小嶋工務店、調布アイランド、宮古島市、株式会社みやじ豚)を獲得しており、当初の計画を超えた詳細かつ広範囲の理論的・経験的研究を展開できることになった。 以上のことから、本研究課題はおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、(1)平成25年度より継続している論文および編著の執筆・改訂作業、(2)新たに開拓した調査先でのフィールドワーク、(3)国内外雑誌への投稿、の三点を推進していく。 まず、(1)については、本研究課題の理論的基盤となる制度派組織論にもとづく理論的・経験的研究をまとめた編著『制度的起業(有斐閣)』の出版をめざし、原稿の執筆・改訂作業を進め、平成26年度中の発行を目指す。 次に(2)については、小嶋工務店および株式会社みやじ豚を中心に調査を行い、その成果を平成26年度中にリサーチペーパーとして公刊する。 最後に(3)については、昨年度の理論研究及び調査に基づき日本ベンチャー学会、組織学会、地域活性学会などの国内雑誌に投稿するだけでなく、Tourist Review、Journal of Social Entrepreneurshipなどの海外雑誌への投稿を目指した活動を行う。
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