本研究の目的は、制度派組織論に立脚しながら、制度の創造や変革を担うリーダーシップを探求することにあった。この目的のもと、第一に、近年の制度派組織論で議論されてきた制度的実践という概念を中心に、制度の創造や変革のメカニズムを考察した。第二に、旧制度派組織論に遡り、制度的リーダーシップを考察した。 本研究を通じて、これまで制度の創造や変革の根拠として制度外生的な要因を密輸入し、制度から人々の行為を説明するという理論前提との間で矛盾を抱えてきた制度派組織論に対して、内生的に制度の創造や変革を捉える視座を提示するとともに、制度的リーダーシップを制度的実践の中に再定位した。
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