本研究は、本社-海外子会社間、海外子会社-現地組織との組織間関係を通じて、トレードオフとされてきた探索型イノベーションと活用型イノベーションの両立(=双面性)を日本企業がいかに行っているのかに関する研究である。 文献研究と17社のケーススタディから得られた主要発見事実は以下のとおりである。第1に、日本で展開していない事業を海外で立ち上げているという事例が、権限委譲がなされたミドルマネジャーが自律的活動を行う海外子会社で見られたこと、第2に現地へのアクセスを迅速に行うために本社機能の一部の海外移管するなどの柔軟な組織構造の変革を行うことによって、「二重の埋め込み」を管理していることなどである。
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