本研究は、平成24年度から27年度までの4年間において、新規学卒就職者の組織適応プロセス(組織社会化)に関して、既存研究で指摘されている過程アプローチと内容アプローチを統合して理論的・実証的に検討することを目的としている。本研究課題の最終年度である本年度は、以下の点についての検討を行った。 第1に、平成27年度入社の新規学卒就職者に対する調査票の作成と定量調査の実施である。調査実施後に、回収された調査票はデータ入力をすぐに行い、統計解析が行われた。 第2に、今後の論文化に向けた文献レビュー及び関連する資料の収集である。その中には、AJBS(Association of Japanese Business Studies)やAIB(Academy of International Business)などの国際学会、日本労務学会及び産業・組織心理学会などの国内学会に参加することによって、最新の研究成果の知見を獲得することも含まれる。 第3に、研究成果の公表である。論文化の前段階として国内学会(日本応用心理学会及び日本経営学会関東部会)での学会発表を行うと同時に、複数の一般商業雑誌において、これまでに行ってきた組織社会化研究の成果の一部がインタビュー記事という形で紹介された。その中で、日本応用心理学会で発表した研究成果は、幸いにも日本応用心理学会第81回優秀学会発表賞を受賞することができた。
|