研究課題/領域番号 |
24730352
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
中村 志保 立命館大学, 経営学部, 准教授 (20389191)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 国際人的資源管理 |
研究実績の概要 |
平成26年度は2003年、2006年、2009年、2012年に実施した電子・電気企業の4社のインタビュー資料の整理を行った。一方で、各社のアンニュアルレポートを整理し、経営戦略や経営方針がこれらの期間の中でどのように移り変わったのかについて調べた。 その結果、各企業のグローバルな経営戦略が、まずは人事戦略に影響を及ぼし、その人事戦略に基づいて本社の人的資源管理施策が策定されること、またその上で本社を含む各子会社の人員配置が行われることが明らかになった。 このフレームワークに基づき、2003年から2012年の現地化に関するデータ(現地人社長の現地化比率、日本人海外派遣者比率、第三国籍者比率)を再検討してみたところ、Company GのみならずCompany Eも現地人社長の現地化比率は上昇し、日本人海外派遣者比率は下がる(現地化が進む)という特徴を持つことが明らかになった。これらの企業の現地化にはoperationalレベルとleadershipレベルの二つの特徴があること、人的資源管理施策は充実し、業績が上昇している可能性があることが明らかになった。 現在、その成果を英語論文にまとめている段階であり、完成し次第、海外のジャーナルに投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究を開始するに当たり検討していたフレームワークについて、文献研究、パイロット調査、アンニュアルレポートの整理、過去の事例研究のデータ整理により、さらに詳細なフレームワークの検討を行うことが出来た。これに加えて、カナダでの在外研究期間において、この分野に精通する専門家のアドバイスを受けることにより、英語ジャーナルへ投稿出来る内容のレベルに発展させる可能性が見えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、カナダのビクトリア大学で在外研究を行った(本研究開始の後に決定された)。そのため、何度も日本に帰国することが困難であったため、最終年度に事例研究を行うことが出来なかった。今年度は、この事例研究を中心に行うことにより、詳細に検討されたフレームワークの実証を行い、その結果について分析し、論文にまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は日本企業本社の事例研究を行う予定であったが、本年度はカナダのビクトリア大学で在外研究を行っていたため(本研究を開始した後に決定)、カナダより複数回、日本に帰国してインタビュー調査や企業へのフィードバックを行うことが困難であった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は、平成26年度に実施できなかった日本企業本社の事例研究を行う予定である。具体的には、パナソニック、シャープ、村田製作所、オムロンで複数回のインタビュー調査を行い(国内旅費)、その結果を分析・考察し(研究会の実施、専門家よりのアドバイス)、論文にまとめ(論文投稿費)、また、国内外の学会で報告する(国内外旅費)予定である。その後、これらの結果を企業にフィードバック(郵送もしくは国内旅費)する予定である。
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