最終年度である今年度は、おもに以下の点について取組んだ。 第1に、中小企業の海外事業展開が、立地する産業集積に対していかにして影響をもたらすかについて、大阪府八尾地域に立地する集積内中小企業のタイにおける事業展開をめぐるプロセスに関してのケースから検討を行った。この検討成果を、2014年9月に開催された日本中小企業学会全国大会で報告するとともに、日本中小企業学会論集に投稿し、査読論文として受理された(刊行は日本中小企業学会編の図書として)。 第2に、タイにて形成されている日系サプライヤーシステムに組み込まれているタイのローカル企業を調査し、ローカル企業の外注先としての日系中小企業の存立実態を明らかにした。この検討成果を、2014年6月のアジア市場経済学会で報告するとともに、アジア市場経済学会年報に投稿し、査読論文として受理された。 第3に、産業集積内における中小企業の海外事業展開についての調査を行った。調査先は、申請者が従前から入り込んでいる神戸のものづくり企業である。この調査の成果を、『商工金融』に研究論文として投稿し、刊行された。 このほかにも、姫路の観光企業との間で取組んでいるタイからのインバウンド受入の取組および観光産業クラスターの形成について取組んだ。この研究成果については2015年7月に刊行される『中小企業季報』(大阪経済大学)にて公開する予定である。
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