本研究では、日本の産業集積地域に立地しかつ海外に事業展開している中小企業を対象に、1つは海外事業展開に伴う国際連携の構築とその成果を明らかにすること、さらにもう1つは、国際連携の構築に伴う、進出先地域および日本で立地する国内外の産業集積に与える影響プロセスを明らかにすること、の2つを検討した。 その結果、日本の中小企業のなかには、タイのローカル企業と国際連携を構築し、タイにおける日系サプライヤー・システムのなかに組み込まれながら、顧客創出を実現している企業が存在するが、こうした企業行動が、その企業が立地する日本の産業集積下の中小企業に海外志向性を高め、実践を促していることが明らかとなった。
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