研究課題
本研究では、オンライン店舗における消費者の行動に影響を与える諸要因について調べた上で、購買を予測するためのモデルの構築と購買データを用いた実証分析を行った。ここでは、関連した2つの実証研究を行った。まず、研究期間の前半においては、売り手が提示する商品サンプルの情報がどのように消費者の購買満足度と購買効率性に影響するか実験を通じて検証した。この実験では、被験者を2つのグループに分け、1つのグループに対し購買を行う際に参考として利用できる商品の画像を提示し、残りグループにはそのような情報を提示しないという設定になっている。被験者は仮想のオンライン店舗で同じ個数の商品を購入し、最後に購買の満足度に関するアンケートに答えるように指示された。ここで検証するのは、製品情報の提示により、オンライン店舗での購買効率性と購買満足度に違いがあるかどうかである。購買効率性は買い物に要する時間で測定し、買い物への満足度は購入した個々の商品の評価の結合で測定した。実験の結果より、両グループの間に買い物の満足度に関しては有意な差がないと確認された。また、買い物時間に関して、参照情報を提示されたグループの方が買い物時間が長く、設定した仮説が棄却される結果となった。2つ目の研究では、オンライン店舗における消費者の購買モデルを構築し、顧客が来店時に購買をするかどうか、購買をする場合にどのような商品を買うのか、これらを予測するための枠組みを考案した。提案したモデルでは、顧客の来店目的を考慮し、顧客が来店時に行う情報探索行動に基づいて、購買が発生するかどうかを推測する。ここで、実際のアクセスログデータと購買履歴データを用いて実証分析を行った。分析の結果から、提案したモデルの有効性を確認でき、顧客の来店目的を考慮することの重要性が示された。
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Contemporary Management Research
巻: Vol.9 No.3 ページ: 231-246
Proceedings of 2013 International Conference on Business and Information
巻: 10 ページ: 224-237