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2013 年度 実施状況報告書

選択的不感化理論によるフレーミング効果の数理モデル化

研究課題

研究課題/領域番号 24730367
研究機関法政大学

研究代表者

諸上 茂光  法政大学, 社会学部, 准教授 (60422200)

キーワード消費者行動 / 文脈依存 / 情報探索
研究概要

消費者は,文脈や決定フレームによって状況依存的に意思決定を変化させることが知られているが,その仕組みについては,決定フレームや心理的財布といった仮説的概念の域を出ていなかった.一方で,脳科学の分野では,計算論的な検討から,脳内でも情報は文脈に応じて,情報の中の利用される部分が変化し(選択的不感化),状況依存的な推論が可能となることや,情報を構成する属性は2つずつが結合した形で利用される(2属性仮説)ことが有力視されている.
以上のことから,本研究では,まずブランド情報の脳内表現形成方法に焦点をあて,上述の選択的不感化理論を適用して,ブランド情報表現の数理モデル化を試みた.次に2属性仮説に基づき,購買時の文脈に応じて,消費者が持つ特定の商品・ブランド情報のうち,優先処理される情報が変化し,これにより状況依存的に意思決定が変化することを示す数理モデルを構築した.
さらに,これらの数理モデルの妥当性を検証するため,背景文脈が異なる状況下で商品選択を行う対象者の情報探索について,アイカメラを用いて実際に測定した.分析の結果,対象者は文脈に応じて情報探索における「選択的な不感化」が観察され,申請者が構築した数理モデルの挙動と合致することが示唆された.
以上の研究結果については国際会議にて発表を行っており,そこでの議論を基に構築したモデルの精緻化を行っている.また,心理実験については2属性仮説と消費者の情報探索の関係をさらに明らかにするためには追加の実験を行う必要があることがわかり,現在検証実験の改良を行っているところである.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画では,文脈依存的な消費者の意思決定を説明する数理モデルの構築と,そのモデルの妥当性を示す心理実験を遂行し,それらの結果をまとめ発表を行うことになっていた.
現在の所,数理モデルの構築と,まだ改善の余地はあるもののアイカメラを用いた心理実験をすでに行っており,その成果については査読付きの国際会議にて発表を行っている.
このため,計画全体として,おおむね順調に進展していると判断した.

今後の研究の推進方策

心理実験についてはまだ改良の余地が残されているため,さらなる検討を行い,同時に心理実験データを増やすことにより心理実験結果の信頼性を高めることを試みている.
これにより,消費者の意思決定時における情報探索と選択的不感化の関係性についてさらに多角的な議論を進め,成果を発表したい.

次年度の研究費の使用計画

本研究を遂行するために不可欠であった実験制御プログラムを業者から購入していたが,その開発および納入に予定より半年以上の遅れが生じたため,心理実験の改良およびそれに基づいた成果発表までを25年度中に終えることができなかったため.
26年度中に行う心理実験の実験補助に関わる経費と消耗品,さらに,成果発表を行うための経費として使用することを計画している.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Relationship between the Context of a Purchase and the Consumer’s Information-Seeking Behavior based on Computational Neuroscience2013

    • 著者名/発表者名
      Shigemitsu Morokami
    • 学会等名
      Second Annual International Conference on Consumer Research and Marketing
    • 発表場所
      Mahidol University, Thai
    • 年月日
      20131112-20131113

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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