研究課題/領域番号 |
24730377
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
横山 斉理 日本大学, 商学部, 准教授 (70461126)
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キーワード | 中小小売商業者 / 従業員 / 学習 / 組織行動 / 顧客 / 顧客満足 |
研究概要 |
平成25年度は、適宜、中小小売商業者に関する問題に直面する諸外国の状況を把握しつつ、事例研究を本格的に実施した。事例研究の対象は、インターネット販売を導入している事業者、あるいはインターネット販売を導入している事業者との競争を余儀なくされているリアル店舗をベースとする中小小売商業者である。この研究の成果は、国内および国外関連学会において発表を行う機会が得られた(日本商業学会第63回全国研究大会@立命館大学、The 38th AnnualMacromarketing conference,Schulich School of Business, York University, Tronto, Canada、XXIV ISPIM Conference,Aalto University School of Economics in partnership with Lappeenranta University of Technology, Helsinki, Finland)。学会の場では、様々な視点からの多様なアドバイスを受けることができた。 その上で、当初計画を1年前倒しする形で国内の中小小売商業者を対象とした質問票調査を実施した。調査は、文献レビューと定性的研究の成果に基づいて、小売店舗の顧客と従業員を対象に行われた。 計画を前倒しすることができた理由は、①これまでの研究の進捗が想定よりも早かったことに加えて、②調査対象として適した事業者との交渉により早い段階での実施が望ましいと判明したため、である。集められたデータについては、適宜、専門家のアドバイスを受けつつ、さまざまな角度から分析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画以上に進展した理由は以下の通りである。 まず、計画していたレビューおよび定性的研究の進捗が想定よりも早かった。そのため、平成25年度の早い時期に国内外の学会において研究の進捗状況を発表する機会が得られた(日本商業学会第63回全国研究大会@立命館大学、The 38th AnnualMacromarketing conference,Schulich School of Business, York University, Tronto, Canada、XXIV ISPIM Conference,Aalto University School of Economics in partnership with Lappeenranta University of Technology, Helsinki, Finland)。その結果、実証分析のモデルを早い段階で構築することができた。この状況に加え、調査対象企業の協力もあり、平成26年度に実施する予定であった2種類(小売店舗の顧客と従業員)の質問票調査を平成25年度中に実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画としては、平成25年度に実施した2種類の質問票調査(従業員の組織行動、来店者の顧客満足)で得られたデータを用いて、適宜、専門家の意見を仰ぎながら、さまざまな視点から実証分析を進めていく。研究の進捗状況に合わせて、国内外の研究会や学会で研究成果の発信を試み、多方面の専門家からのコメント・アドバイスを受けて研究を洗練化させていく。このプロセスを可能な限り繰り返すことで、モデルや分析の頑健性を高めていく。最終的には、本研究の、商業・流通・マーケティング研究としての理論的・実践的意義を考察し、それを国内外で発信していく。 研究が当初計画通りに進まないときの対応については、本年度に関してはそうした事態が発生する可能性は低いと考えている。理由は、実施可能かどうかが他者の意向に依存する定性的・定量的調査はすでに実施済みだからである。研究成果の発信の場が得られにくい場合は、これまでの活動領域をさらに広げることで、発表の機会の場を得られるように努力する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が生じた理由は以下の通りである。平成25年度においては、研究計画が当初想定よりも早く進展したため、調査費用等を前倒し請求した。概ねその請求通りの拠出があったが、以下の2点については想定通りにはいかなかった。 一つは、研究推進のためのアドバイスを受けるための出張回数が前倒し請求をした段階で想定した回数を下回ったことである。その理由は先方の専門家のアポイントメントを取るタイミングが合わなかったためである。 もう一つは、研究成果の発信のために拠出することを想定していた英文校閲費用が、前倒し請求をした段階での想定よりも少なくなったことである。 使用計画としては、次年度使用額が生じた理由である出張および英文校閲を今年度に実施することで使用する計画である。
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