| 研究実績の概要 |
本研究は組織成員の財務意識および非財務意識を同時に向上させるための要因、ならびに多面的な業績目標を達成するための要因を解明することをおもな研究目的とした。このために、わが国医療組織を対象とした経年的なアンケート調査を実施し、その分析を行った。研究期間の最終年度では、1,000件以上に及ぶアンケートの回収を行い、研究期間をとおした回収状況では3,000件以上（3年間各年1,000件以上）の回収を達成した。分析の結果としては、財務意識（将来の組織財務を改善しようとする意識）と患者意識（患者満足度を向上させようとする意識）を同時に向上させるためには、学習意識（継続的な学習に対する意識）を向上させることが重要な要因となることを発見した。また、多面的な業績目標を達成しようとする意識を向上させるためにも、学習意識が有効な要因であることがわかった。
当該研究を補完する関連研究として研究期間をとおして、患者満足度に関する研究やチーム学習における管理会計システムの意義に関する研究などを行った。患者満足度に関する研究では、経年的なアンケート調査を実施し、患者のポジティブな行動意識を促進するためにとくに重要な満足度要素としては接遇およびサービス品質に対する満足であることがわかった。他方で、チーム学習に関する研究では、文献研究をとおして、効果的なチーム学習を促すために管理会計担当者が重要な役割を担っていることを発見した。
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