本研究は、米国の保険者機能の強化を背景とした病院原価計算の発展を、計算原理の精緻化の側面と計算合理性の側面から整理することで、医療の質とコストのバランスを考慮する価値重視の病院経営を支援する時間主導型の病院原価計算の有用性について明らかにすることを目的としたものである。 本研究では、保険者機能が強化されるなかで提唱された価値重視の病院経営おいて、時間主導型活動基準原価計算(TDABC)や相対価値尺度法(RVU法)といった時間主導型の病院原価計算を用いて医療提供者と病院経営者に共通の情報基盤(common information platform)を構築する必要性があることを明らかにした。
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