研究課題/領域番号 |
24730399
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
遠谷 貴裕 早稲田大学, 商学学術院, 助手 (70583235)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 会計学 |
研究概要 |
本年度はデータの取得と入力の作業を行った。ストックオプションに関するデータは適時開示情報などから直接入手するほかなく、データの取得に多くの時間を費やすこととなった。特に、ストックオプションの付与量のに関するデータと、誰に付与するのかのデータや行使価格などのデータが同一日に発表されていることは多くないため、それらを企業ごとに個別に探して入力することに多くの時間を費やすこととなった。また、当初予定してた大学院生の研究補助者を確保することができず、当該作業を自ら行わなくてはならなくなったことにより、計画の修正を余儀なくされた。 入手したデータを基に本年度は経営者予想とストックオプションの関係を実証的に分析し、その結果の一部を日本経営分析学会第28回秋季大会において発表した。具体的には、ストックオプションの権利行使可能日前後に経営者予想の改訂が行われているかどうかを調査した。分析の結果は非常に弱い証拠しか発見することができず、さらなるデータの蓄積と、モデルの改良が必要になると思われる。当該発表はパイロットテスト的な意味合いが強いため、よりデータを拡張したのちに学会誌に投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度はデータの入力に予定していた研究補助者が使えなかったため、研究代表者自らがデータの収集と入力を行わなくてはならず、当初の計画よりは進捗が遅れているのが現状である。しかし、自ら入力したデータで、ある程度の基本となる研究は行うことができ、本年度は経営分析学会において当該データを用いた発表を行った。また、次年度における研究補助者の確保がすでにできているため、次年度においてのデータのチェック等の作業速度は大幅に改善され、当初の計画どおり遂行することができると見込まれる。 研究代表者の負担が減るため、データ入力に用いる時間を文献の渉猟やさらなるモデルの改良に充てることができ、次年度中に十分な研究結果を公表できると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は早い段階において、直近までのデータを構築することを目標としている。そして、当該データを用いた大規模で包括的な実証分析を行う予定である。特に、次年度においては研究補助者の確保ができているため、データの収集・チェックに関して研究代表者が時間を費やさなくてよくなったことが研究の進捗に大きな影響を与えると考えられる。 そして、次年度前半にデータの収集を終え、それをもとに実証分析を行う。その結果は年末から年始にかけて行われる学会において発表し、発表を行った学会か、または研究代表者が所属するいずれかの学会の学会誌に投稿する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度前半は研究補助者を用いた実証分析のためのデータを構築する作業を行うため、多くは人件費として支出される。また、ストックオプションに関する最新の文献の購入のための図書費などが大半を占めると思われる。 次年度後半は前半に得たデータを基におこなった実証分析の結果を研究代表者の所属する学会において発表するための研究出張費が大半を占めるものと考えられる。 どちらも研究を遂行する上で必要な経費として考えられる。
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